ちょっとコラム「塗り残しのある生き方」

結月平日コラム_edited-1
ちょっとコラム「塗り残しのある生き方」
 
例えば、セザンヌという画家は、塗り残しがあります。いえ、セザンヌだけでなく、絵を完成させないで、どこか塗り残したままにしておく画家がいます。
 
有名な青木繁の『海の幸』は全部仕上げてませんね。
 
塗り残しがあるといいのは、「こうだ」という答えが決まらないからです。この塗られていない部分は実は何色のはずだったのだろう? そういう想像を見る人に与えるからこそ、廃れずに名画となります。
 
だって、答えを与えずにずっと見る人に問いかけ続けるのですから。
 
絵画だけでなく、文学、映画なども名作というのは答えがありません。はっきりとした答えがなく、こうじゃないか、ああじゃないかと思いめぐらす余白があるから語り継がれます。
 
そして、このことはひとの魅力についても言えるんですよ。
 
「こういうひと」とすぐにわかるようではおもしろくないです。どんなひとなのかはっきりしせず、予想とは異なる意外性を感じさせ、つまりこういうひとだという答えがないほうが魅力なんです。
 
ですから、あえて完璧を目指さないで、余白を残しておく。そういう生き方がいいと思います。
 
ちょっと今は、完璧がいいと思われ過ぎじゃないでしょうか。
 
 

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