ちょっとコラム「音楽は何をできるか?」

結月平日コラム_edited-1
ちょっとコラム「音楽は何をできるか?」
 
結美堂主催のコンサート「篠崎史紀のモーツァルト6大交響曲演奏会 マロオケ2016」のチケット業務をやりながら、ふと、今まで考えたことのないことが思い浮かびました。
 
それは、
 
「音楽は何をできるか?」
 
ということ。
 
震災や洪水があったりすると、よくチャリティーコンサートがなされたりして、被災地に集めたお金を届けたりとかなされます。考えたのはそうテクニカル的なことではなくて、もっと人間の生き方に関すること。
 
音楽は時代によって求められ方が変わってきました。例えば、バッハなどバロック時代は教会音楽として、キリスト教からのニーズがありました。古典のモーツァルトになると貴族とか、そういったところからのオーダー。
 
音楽は時代によってどこからオーダーされるかが変わってきます。
 
クラシックだけでなく、シャンソンやジャズ、ロック、そして今ではAKB48もそれを欲しているひとがいるからこそ、音楽として存続できます。
 
そうなると、当然、時代の要請から外れたものは衰退していくわけで、フランスだって今どき、戦前のシャンソンを聴く人は少ないし、ジャズだってかつては黄金期だったビッグバンドも細々とした感じです。フォークソングなんて、日本ではもはや60代以上でないと共感はできないでしょう。
 
そんな中、クラシック音楽はバッハもモーツァルトも現役で演奏されていて、世界中からニーズがあります。
 
バッハの時代のキリスト教の教会権力もなければ、市民社会で貴族もいないのにモーツァルトは演奏され、つまり当時のニーズとは違ったニーズでもって、今もなお、生き残っているんですね。
 
それでも日本ではクラシックファンはかなり高齢なので、若い世代ではそれほど聴かれなくなっています。しかし、本場のヨーロッパでは音楽祭も活発だし、演奏者も新しいひとがどんどん出て来て、名門オーケストラが中国からのオーダーで演奏したりしています。
 
と、このようにニーズが時代によって変わる中で、この日本では音楽は何ができるのだろう?と思ったわけです。
 
ニーズに応えるために存在すると同時に、音楽の側から新しい働きかけをできるんじゃないかって。
 
つまり、音楽で新しい時代を提案する、新しい人生観、新しい生き方、新しい価値観みたいなものが作れないだろうかと思いました。
 
まだ具体的にはまったく思いつきませんが、ただ演奏して、聴いてもらってよかったというだけでなく、もっと異なるコンサートのスタイルがあってもおもしろいんじゃないかって思ったんですよ。
 
 

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